知らぬ間に骨が溶ける?喫煙者のお口リスク Blog
こんにちは。歯科衛生士の針原です。
年末年始の準備でバタバタと忙しいこの季節。
その中でも、恐らく皆さんも行う大掃除ですが、
もともとは12月13日になると行われていた
「すす払い」という行事が由来となっており、
「正月事始め」の一環として
新年を迎えるための習慣だったそうです。
そんな年に一度の大掃除ですが、
実際には日頃からこまめに掃除をしていれば、
手間も時間も少なく済みます。
そしてそれは、歯のお掃除も同じこと。
実は、普段からお口の中をきれいな状態にできていないと、
お口の中の細菌がどんどん増え
『歯周病』や『むし歯』のリスクが確実に高まります。
特にタバコを吸う方は、
『歯周病』に対して十分な注意が必要です。
そこで今回は、
タバコとお口の関係についてお話したいと思います。
◆気づいたときにはもう手遅れ
歯周病を「ただ歯ぐきが腫れるだけの病気」
と考えている方がいらっしゃいますが、
それは大きな間違いです。
歯周病は
歯と歯ぐきの間に歯周病菌が入り込み、
腫れや出血を伴いながら、
やがては歯を支える骨を溶かしてしまう
恐ろしい病気です。
骨が溶けてしまうと、
当然それに支えられていた歯は抜けてしまいます。
実は、歯が抜けてしまう原因のNo.1は、
「むし歯」ではなく
「歯周病」なのです。
歯周病で歯を失う原因としては
「自覚症状の少なさ」が挙げられます。
唯一とも言える自覚症状は「歯ぐきの出血」。
もし、出血がいつまでも続いているようだと、
歯を支えている骨が溶け始めている可能性が高いので、
今すぐにでも歯科に相談してください。
ところが、
そんな唯一の自覚症状とも言える
「出血」すら気づかなくさせるのが「タバコ」です。
タバコに含まれる有害物質は、
歯ぐきの血流悪化を引き起こし、
出血しにくくなるため
歯周病に気づきにくくなってしまうのです。
それだけではありません。
血流が悪いということは、
細菌と戦う力が衰えることを意味しますので、
歯周病菌がどんどん増えていきます。
「ようやく気づいたころには、
もう骨がすっかり溶けてしまっている」
喫煙者にはこうしたリスクがあることを
しっかり覚えておいてください。
◆全身疾患につながる可能性も…
このように、タバコは歯周病を悪化させますが、
歯周病の悪影響は口腔内だけではありません。
歯ぐきから侵入した細菌が血管に入り、
全身にまわることで、
・心臓疾患
・脳血管疾患
・認知症
・糖尿病
・がん
・早産
・低体重児など、
様々な病気に関わっていることが知られています。
このように、タバコは肺がんや歯周病だけでなく、
全身疾患を悪化させる引き金になり得るのです。
◆禁煙は歯の治療に大切なこと
「自分はもう歯周病になってしまったから
関係ない!」
と思われた方も、まだ遅くありません!
ある程度進行した歯周病にも禁煙は有効なので、
ぜひチャレンジしてみましょう。
禁煙をすると歯ぐきの状態が回復して、
歯周病のリスクが下がります。
さらに、
歯周病を予防することが全身疾患の予防になり、
ひいては健康な人生をおくることにもつながっていきます。
また、喫煙をしている方は、
自覚症状が少ないため、
必ず定期的に歯科で検診を受けてください。
検診では歯周病のチェックのほか、
歯周病菌のすみかとなっている歯石を取り除いたり、
歯にこびりついたヤニを取り除いたりすることもできます。
疾患の早期発見・予防・見た目の改善など、
様々なメリットがありますので、
ぜひ定期的なご来院をお待ちしております。
ファミーユ歯科・矯正歯科
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